泣き顔にサヨナラのキス
原口係長の顔が近付いてきて。
さっきまで笑っていたはずの表情は、急に見たことがない男の顔になっていた。
あたしは身動ぎも出来ずにそのまま、唇にキスを受けていた。
優しい触れるだけのキスは次第に深くなり、情熱的なキスへと変わっていって。
僅かな唇の隙間から、忍び込んできたしなやかな舌は、逃げる隙を与えないようにあたしの舌に絡み付いていく。
どうして?
どうして、原口係長はあたしにキスをするのだろう。