泣き顔にサヨナラのキス
 

氷が溶けて薄くなった水割りに、バーボンを足して喉に流し込んだ。


孝太に二次会に行かないでと言えればよかった。


物分かりのいい女のふりして、本当は嫉妬でドロドロなのに。


あたしは孝太を失う事が怖かった。


付き合う前は、何でも話していたのに。


恋人になった途端に嫌われるのが怖くて、何も言えなくなってしまった。



あたしは――…







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