泣き顔にサヨナラのキス

そっか。

そうなんだ。原口係長にとっては別に珍しい事でもなんでも無いんだ。


安心したような、寂しいような複雑な気分になる。


あれ?でもどうしてこんな気持ちになるのだろう。


「仲直りしたか?」


どこか能天気な声に聞こえたのは気のせいだろうか。


「いえ、それが……」


「何だよ?赦してやれよ」


降りてきたエレベーターに二人で乗り込んだ。



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