泣き顔にサヨナラのキス

 
孝太はマグカップを持ったまま、ニコニコとあたしを見ていた。


いつもそう、孝太は付き合う前から、そうやってあたしの事を見ていた。


「孝太」


「ん?」


「不安にさせないで」


「信用ないんだな、俺って」


孝太は困ったように、顔を歪めて、マグカップをテーブルに置いた。




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