泣き顔にサヨナラのキス
「わたし、諦めてませんから」
まだ言うか、と想った。
本当に何なの。
「……好きにすれば。だけど、あんなことはもう止めて」
「はは、やっぱりバレてましたか。でも、あれは計算じゃないです。
結果的に孝太君の部屋に行ってしまったけど」
「じゃあ、何?」
「二次会で孝太君の隣の席はゲットしたんですけど、ずっと田中さんの話ばっかりで」
そう言えば、田中君に何やら頼まれたとか孝太が言っていたっけ。