泣き顔にサヨナラのキス


クスクスと笑い声が頭の上から落ちてきた。


「いいから、行くぞ。美味しいピザ食べたくないか?」


……ピザ好きだけど。


そして、座ったままのあたしの目の前に、原口係長の大きな手が差し出された。


いいのかな。孝太も他の子とランチしてるんだし。


いや、でも……


「きゃっ!」


迷っているあたしの手を取って、強引に立たせると原口係長はそのまま歩き出した。


えっ??


あの、ちょっと?




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