泣き顔にサヨナラのキス
 

他の女の子とランチをした孝太が悪いのか、気にするあたしが悪いのか。


あたしが見ていたとも知らないで、そのカフェに誘う孝太の間が悪いのか。


朝から、頭の中がグチャグチャだ。


「ちょっと、カナ」


「孝太、会社だからプライベートな話は止めて」


「でも」


「明日のミーティングの資料がまだなの。お願い、仕事に集中させて」


嘘ばっかり。週報ぐらいで、特に難しい案件も抱えてないくせに。


孝太は小さく「わかりました」と呟いて、あたしから離れていった。




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