泣き顔にサヨナラのキス


何事も無かったように。

ゴクゴクと呑み込んで、あたしの行き場のない気持ちも一緒に。


尊敬してます、原口係長。だけど、何故か。


キスされた唇が熱いんです。


触れられた胸元がヒリヒリと痛いんです。


「お薬飲んでください」


「ん」


「原口係長が眠ったら帰ります」


「なんだよ、寝顔を見たいのか?」


「熱があるのに、意外と元気ですよね」


意地悪を言うと、困ったように笑う。




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