泣き顔にサヨナラのキス
    

いつも終わりは呆気なくて。


こんなことなら、我慢なんてしなきゃ良かったと想う。


すべては今更で、後悔することばかり。


もっと料理を頑張れば良かったとか、一緒に旅行に行きたかったとか。


言えばキリがない。


同じ事を何度も繰り返して、それなのにあたしは上手に恋が出来ない。


せめて、泣くのだけは何とか堪えよう。


孝太はまだあたしの手をしっかりと握っていた。






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