群青の月
ケーキを食べ終わった後、柚葉にシャワーを浴びるように言ったけど…


彼女は、それを一蹴(イッシュウ)してから続けた。


「さっさと済ませてよ。あたしは帰りたいんだから」


「……済ます、って?何を?」


不思議に思いながら尋ねた俺に、柚葉が顔をしかめる。


「面倒臭いから、いちいち惚(トボ)けなくていいよ。これからヤるんでしょ?シャワーなんていいから、さっさとしてくれる?」


「はぁ?ヤるって……」


ため息をついて投げやりな口調で話した柚葉に、思わず眉を寄せてしまった。


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