群青の月
「何考えてるんだよ、バカ。別に、普通に寝るだけだっつーの」


俺の言葉で微かに表情が緩んだ柚葉の隣のスペースに、体を投げ掛ける。


「だったら、アンタ一人で寝ればいいでしょ。何であたしまで……」


「別にいいだろ。それに……今日は一人になりたくないんだよ……」


面倒臭そうにため息を吐いた柚葉に、戸惑いながらも小さく返した。


その時、柚葉の目がほんの少しだけ見開かれたのは、たぶん見間違いじゃなかったとは思うけど…


すぐに眉を寄せた彼女の中に、その動揺にも似た表情は消えてしまった。


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