群青の月
リビングに行ったあたしは、ベランダに繋がるガラス扉の向こう側を見て唖然(アゼン)とした。


「……マジ?」


「マジ」


後から来た冬夜の答えを聞いて、無意識のうちにため息が漏れる。


体が怠い原因は、オレンジ色に染まる空が知らせる時間が原因だって気付いた。


17時過ぎを示している時計を見て、寝過ぎたんだって事を改めて自覚する。


「俺もさっき起きたとこなんだけど、腹減らねぇ?ピザでも取るか?」


「いらない」


ベランダから足元に視線を移し、リビングの床に置いたままだったバッグを持った。


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