群青の月
「いつもの料金で不服だって言うなら、それ以上出したって構わないんだぞ?」


動揺を隠せずに戸惑うあたしに、冬夜がニヤリと笑った。


バカにされているのとは違う、どこか含みのある笑顔。


だけど…


それを不快だとは思わない自分(アタシ)は、もう冬夜の罠に掛かってしまっていたのかもしれない。


「……三万」


「それって、いつもと同じ値段?」


あたしの呟きに、そう返して来た冬夜に頷く。


「いくら何でも、安過ぎるだろ……」


すると、彼はまるで傷付いたように、悲しそうな笑みを浮かべた――…。


< 138 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop