群青の月
一先ず交渉が成立する事になり、俺は財布から抜き取った三万円を手渡した。


すんなりとそれを受け取った柚葉が、バッグの中から出した財布に入れる。


その時、彼女が持っているバッグも財布もブランド物なんかじゃなくて、身に纏っている服もアウトレットなんかで手に入りそうな物だって事に気付いた。


まだ二十歳になったばかりの女が体を売るくらいなんだから、頭の片隅では高価なブランド物でも欲しいのかと考えていた。


だけど…


柚葉の持ち物を見る限りでは、彼女がそんな部分で贅沢をしているようには到底思えなかった。


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