群青の月
柚葉の時間を初めて買った日の、翌日――。


『用事があるから』と言って帰ろうとした彼女を、俺はまたしても引き止めた。


「今夜も来て欲しい」


そう言った俺に、柚葉は怪訝な顔をしたけど…


「もちろん、条件は昨日と同じで構わない。セックスはしないけど、ちゃんと三万は払うから」


間髪を入れずに条件を告げると、彼女は少しだけ考えるように俺を見つめた。


それから程なくして、無言で頷いて承諾してくれた。


正直、柚葉が本当に来るのか不安だったけど、彼女は自分から指定した21時過ぎになると、当たり前のようにやって来た。


< 167 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop