群青の月
「……何だよ?もしかして、無責任に『やめろ』とか言う訳?」


男は、あたしを見ながらハッと嘲笑った。


「まさか」


あたしもバカバカしいと言わんばかりの笑みを浮かべ、彼に冷たい視線を向けたままキッパリと言い放った。


そんなあたしの反応に、男は驚いたみたい。


あたしを睨んでいた彼が、目を小さく見開いた。


「あたしにそんな権利ないじゃん。それにアンタが死んだって、あたしには関係ないから」


ため息混じりに話したあたしを見ていた男は、しばらく呆然としていたかと思うと、不意にフッと笑った。


< 21 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop