群青の月
覚束(オボツカ)ない足取りのまま、人々で溢れた賑やかな街中を歩く。


ホテルを出たのは、いつだったのか覚えていない。


あの後、地獄のような行為が終わるのをひたすら待ち続けて…


男がお金を置いて出て行った後すぐに、急いでトイレに駆け込んだ。


気持ち悪くて、頭痛がして、目眩も止まらなくて…


しばらく嘔吐(オウト)を繰り返し、最後には胃液まで吐いた。


それからバスルームにこもって、男に触られた部分を何度もボディスポンジで擦(コス)り、あの男の感覚を消そうと必死に体を洗い続けた。


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