群青の月
まだ微睡んだままなのに、その鳴き声に思わず眉を寄せてしまう。


耳をつんざく、不快なノイズ。


胸の奥がグッと締め付けられて、次第に息が上手く出来なくなっていく。


それは首を絞められている気さえする程に苦しくて、まるで自由を奪われていく気すらした。


体が呼吸の仕方を忘れてしまったかのように震え、必死に酸素を求め始める。


苦しい……


嫌……


助けて……


誰かっ……!


「……はっ、柚葉!」


目の前が真っ白になっていった時、微かに声が聞こえた。


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