群青の月
自分から手を離そうとしなかったのは、ただ単純に面倒臭かっただけ。


だから、与えられた温もりに安堵感を抱いたりはしていないし、もちろん間違っても嬉しいなんて思ったりはしない。


だけど…


体はホッとしたように、すぐに睡魔に襲われ始めた。


「眠……」


「大丈夫だから寝ろ」


優しく微笑む冬夜の顔が、少しずつぼやけていく。


安堵感を抱くつもりも、それを抱いたつもりも無い。


それなのに、“冬夜が傍にいる光景”に安心する事を覚えてしまったのかもしれない、なんて思ってしまったんだ…。


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