群青の月

◆Side‥冬夜

【Side‥冬夜】



落ち着きを取り戻して眠った柚葉に、胸をホッと撫で下ろす。


顔色はまだ優れないままだけど、それでもいつもよりはマシな方だ。


どこかあどけない表情の奥に、柚葉はいつも何を隠しているんだろう…。


隠された“何か”が彼女を苦しめている事は、もうわかっている。


それなのに、それが何なのかはわからない。


知りたいと思うのは、決して興味本位な気持ちじゃなくて…


柚葉の事が好きだから、ただ彼女の力になりたいと思うだけ…。


だけど…


柚葉にとっては、迷惑なだけなのかもしれない――…。