群青の月
今の言葉は、不機嫌になった柚葉の“ただの嫌味”だと言う事は、よくわかっている。


だけど…


柚葉の言葉だからこそ、いとも簡単に傷付いてしまう自分(オレ)がいた。


「もう二度と……そんなつまらない事言わないで。あたしには……自分(アタシ)の生活があるんだから」


ぶっきらぼうに、そして面倒臭そうに話した彼女もどこか傷付いているように見えたのは、たぶん俺自身がそんな感情を抱いているからなんだと思う。


それでも…


ほんの一瞬だけ見せられたその表情に、胸の奥が確かに鈍い痛みを感じていた。


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