群青の月

◇Side‥柚葉

【Side‥柚葉】



「何だ、帰って来たの……」


家に帰ると、久しぶりに母と顔を合わせた。


放たれた第一声は歓迎からは程遠い言い方で、それだけで苛立ってしまう。


「どうせなら、顔合わせないようにしてくれたらいいのに……。本当、気の利かない子ね。それに、アンタだってその方がいいでしょ？」


まだ濃いメイクを残したままの母は、帰宅したばかりみたい。


だけど、珍しく酔っていなくて、やけに饒舌だった。


「そうだね……」


あたしはため息混じりに小さく返した後、キッチンの前でタバコに火を点けた――…。