群青の月
貯金の残額は今すぐ金に困る程では無いし、生活だってまだ充分やって行ける。


それでも不安なのは、未だに俺と柚葉を繋ぐものが金しか無いから…。


そんな事を考えてはこの虚しい関係に憂鬱になって、また深いため息が零れた。


「いっそ、バイトでもするか……」


呟いた独り言の後に漏れた、情けない嘲笑。


仕事を探す気になれない俺にとっては、愚問(グモン)でしか無かった。


どちらにしても…


ある理由から仕事に対しては無駄に高くなったプライドが、結局はその邪魔をする事になるだろう…。


< 373 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop