群青の月
ベッドに座らせた柚葉を一人残し、キッチンや脱衣所で必要な物を揃えてから再びベッドルームに戻った。


だけど…


柚葉は、屍(シカバネ)のように全く同じ体勢のままだった。


「……水、飲むか?」


返答が無い事をわかっていながらも、出来るだけいつもの口調で話し掛けてみた。


予想通り返事をしない柚葉には、まるで俺の言葉が聞こえていないみたいだった。


「ちょっと染みるかもしれないぞ……」


俺は胸に抱いた痛みを隠すように静かに告げて、彼女の足首の辺りに濡らしたタオルをそっと当てた。


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