群青の月
あの夜、柚葉が俺に助けを求めてくれた事は、本当に嬉しかった。


もちろん、今になってやっとそう思えるようになっただけ…。


電話を掛けて来た柚葉の声は異常だったから、あの時はそんな事を考える余裕なんて微塵も無かった。


電話で話している間は、ただただ柚葉の事が心配で…


いつもと様子が違う彼女の事を、一刻も早く見付け出す事しか考えていなかった。


だけど…


柚葉の口から零されたのはあまりにも僅かな手掛かりばかりで、どうしたって彼女を見付けられないんじゃないかと、とにかく不安で堪らなかった。


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