群青の月
大通りの路肩に車を停め、ハザードを点けるのも忘れて転がるように飛び出した。


道行く人々に柚葉が口にした看板の名前を尋ねて、赤いビルの事やコンビニの事も訊いた。


あからさまに無視する人や親切に答えてくれる人、相手は様々だった。


そして、焦りを感じながら何人目かわからない人に尋ねた時、やっとそれらしい答えが返って来た。


お礼を言い終わる前にまた車に向かって走り出し、教えて貰った道を急いだ。


再び車から下りて周りを見渡した俺は、柚葉の言葉とほとんどの物が一致している事を、何とか確認出来たんだ…。


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