群青の月
全てを受け止める覚悟がある俺は、柚葉を大丈夫だと諭した。


すると、リビングにいた時から不安げに瞳を揺らしていた彼女が、ほんの少しだけ安心したように表情を緩めた。


柚葉の変化はいつだってあまりにも小さ過ぎるから、誰が見ても仏頂面にしか見えないんじゃないかと思う。


だけど…


そんな柚葉だからこそ、些細な変化に気付けた事が嬉しい。


俺は柚葉の不安が消えるようにと思いを込めて、彼女の手を更に強く握った。


そして…


願わくば、この先の柚葉の不安もずっと俺が消してあげられるように――…。


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