群青の月
「あたし、望まれない子だったんだ……。母親が働いてたスナックの客が父親らしいんだけど、そいつはあたしが出来たって知ったら、お金だけ渡して逃げたんだって」


淡々と話すその姿は、気丈に振る舞っている事がよくわかる。


「母親はその男に逃げられた事がショックで、しばらく病院に行かなかったらしくてさ……」


ここまで聞いただけでも、もう既に返す言葉なんて無かった。


「病院に行った時にはもう堕ろす事も出来なくなってたから、仕方なくあたしを産む事にしたんだって」


柚葉の表情が、少しずつ険しくなっていく。


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