群青の月
「だけど……そのうち、あのままでいる事が恐くなった……」


小さく零した柚葉が、どこか自嘲気味な笑みを浮かべた。


「冬夜との契約がなくなったら、あたしはまた体を売らなきゃいけなくなる。でも……冬夜と過ごす時間は、あたしにとっては微温湯みたいに都合が良くて……。そこにどっぷり浸かってるうちに、元の生活に戻るのが恐くなっていった……」


柚葉が俺の前から姿を消したあの時は、彼女がどうしてそんな事をしたのかわからなかった。


だけど…


苦痛に歪む顔で話した柚葉を見て、今はその理由が痛いくらいにわかった。


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