群青の月
この日、俺達は初めて恋人として一緒に眠りに就いた。


俺は柚葉の体を抱く事はせずに、彼女をただ抱き締めて眠った。


込み上げる情欲を抑える事に必死だった今までが嘘みたいに、今日は穏やかな気持ちで瞼を閉じる事が出来た。


ベッドの中で微睡(マドロ)んでいると、柚葉が遠慮がちに俺の背中に腕を回したのを感じて…


気が緩んだせいで瞼を開ける気力は無かったけど、心の底から感じた幸せを噛み締めていた。


そして…


夢の中にゆっくりと落ちていく中で、この優しい幸せがずっと続くようにと願っていたんだ――…。


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