群青の月
まだ扱い慣れない掃除機を掛けた後、ベランダに視線を遣った。


風に煽られている洗濯物に、太陽の光が惜しみ無く降り注ぐ。


冬夜に唯一褒められたのが、洗濯物の干し方だった。


洗濯だけはずっときちんとしていたから、人並みくらいの事は出来る。


『洗濯物は綺麗に干してるな!不器用な柚葉の意外な特技発見』


初めて洗濯物を干した時、そう言いながらからかうように笑った冬夜に、あたしはため息をつきながら眉を寄せた。


だけど…


冬夜に不機嫌な顔を見せながらも、本当は心の中では嬉しさを感じていた。


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