群青の月
「ふーん……」


柚葉はさして興味が無さそうに俺から視線を逸らし、チーズハンバーグを口に運んだ。


自慢じゃないけど、俺は実年齢よりも若く見られる事が多いし…


少なくとも、初対面の人間に『おじさん』呼ばわりされる程、老けてはいないと思う。


だから、柚葉の言葉はそれなりにショックだった。


だけど…


黙々と食べている柚葉を見ているうちにそんな事はどうでも良くなって、程なくして彼女に笑顔を向けた。


「美味いか?」


「普通……」


柚葉は少しだけ間を置いてから、小さく答えた。


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