群青の月

◇Side‥柚葉


【Side‥柚葉】



瞼をうっすらと開けると、もうすっかり見慣れた天井が視界に入って来た。


まだ夢の中にいるような、不思議な感覚がする。


ボーッとした頭で、記憶の糸を手繰(タグ)り寄せる。


心地好い気怠さを孕む体の中には、いつもよりも余分な熱が留まっていて…


頭よりも体が覚えていた記憶が、あたしに甘い光景を思い出させた。


思わず声を上げてしまいそうになる程、激しい情事の記憶…。


それがまざまざと蘇って、何とも言えない感情に包まれる。


だけど…


心も体も、確かに満たされていた――…。


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