群青の月
「人の気も知らないで……。呑気(ノンキ)なもんだね……」


今の自分(アタシ)だと起きている時の冬夜には敵わない気がして、こんな時くらいと思いながら悪態をついた。


すると、彼が不機嫌そうに眉を寄せた。


絶妙なタイミングにドキッとするあたしを余所に、冬夜は気持ち良さそうに眠っている。


胸をホッと撫で下ろして、安堵のため息を零した。


再び油断していると、グッと引き寄せられた体。


力強い腕に、ほんの少しだけ苦しさを感じたけど…


鼻先を掠める優しい香りにまた幸せを感じて、思わず目を細めた。


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