群青の月
夜がこんなにも長く感じたのは、久しぶりの事だった。


静寂に包まれた暗闇は、世界から切り離された場所みたいに思える。


時間が経てば経つ程、睡魔に襲われそうになる時もあったけど…


瞼を閉じてしまうのは勿体なくて、あたしを抱き締めたまま眠る冬夜の寝顔を見つめていた。


穏やかな寝息を立てて眠る彼を見ていると、決心が鈍ってしまいそうになる。


だから…


唇を噛み締め、揺らぐ心を何度も叱責した。


「……好き、だよ」


震える声で小さく呟いた後、冬夜の腕の中でただじっと長い夜が明けるのを待っていた――…。


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