群青の月
「……新しい家って、そんなに遠い所なの?」


「電車だと、ここから1時間くらいかな。この辺よりは田舎だけど、それなりにいい所だよ」


バッグからメモを出し、吉岡さんに差し出す。


「これ、新しいアパートの住所なんだ。こんな事言うのもおかしいけど……もし近くに来る事があったら、遊びに来てよ」


自分よりもずっと年上の人にこんな事を言うのは、もしかしたらおかしい事なのかもしれない。


だけど…


友達がいない自分(アタシ)にとって、あたしの事をずっと可愛がってくれていた吉岡さんは唯一の友達だって思っているから…。


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