群青の月
真剣な表情で吉岡さんの言葉を遮った俺に、彼女が困ったように眉を寄せた。


「柚葉が今、どこにいるのか知ってますか?」


疑問形にしたのは、とりあえず形だけ。


吉岡さんの表情からハッキリと確信していたから、言葉にした声には力を込めた。


「……あなた達、別れたんでしょう?」


「柚葉がそう言ったんですか?」


「えぇ……」


「柚葉が何を言ったのかは知りませんが、あいつは黙って俺の前からいなくなったんです」


「え……?」


「だから、俺はちっとも納得してないですよ」


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