群青の月
「何で……」


段ボール箱の前にヘナヘナと座り込んで、そこに残っていたペットフード用のケースにそっと触れた。


今朝の嬉しそうなトーフの姿を思い出し、無意識のうちに涙が溢れ出す。


すぐに視界が滲んだ事に気付いたけど、その時にはもう堪え切れなくなった涙がポロリと零れ落ちていた。


よく考えてみれば、ブランケットも一緒に無くなっているから、たぶん誰かが連れて行ったんだ…。


トーフだって、寒空の下でしか面倒を見てあげられない自分(アタシ)よりも、暖かい家の中で飼ってくれる人の方がきっと幸せになれるに決まっている。


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