群青の月

◆Side‥冬夜


【Side‥冬夜】



柚葉と会えてから数日後、俺は再び彼女のアパートを訪ねた。


再会出来た日の翌日は柚葉がバイトだったし、俺は雑務を残して会社を飛び出してしまっていたから、お互いにゆっくりしている暇は無くて…


あまり余韻に浸る事も出来ないまま、彼女との時間を惜しみながら帰るしか無かった。


「アンアンッ!」


トーフと一緒に…。


「久しぶりだね、トーフ」


玄関から出て来るなりトーフに笑顔を向けた柚葉と、それに応えるように彼女に飛び付いたトーフ。


その何とも言えない光景に、俺は深いため息を漏らした。


< 943 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop