群青の月
柚葉の母親が亡くなった時、柚葉は決して泣かなかった。


だけど…


最期まで母親を許せなかった事をどこか悔やんでいるようにも見えて、ただ泣けなかったんじゃないかとも思えた。


俺はそんな肝心な時に掛ける言葉すら見付けられなくて、柚葉の傍で寄り添う事しか出来なかった。


それでも、その時ばかりは俺の事を頼ってくれた彼女に、少しだけ安堵した。


だって、そんな時ですら誰かを頼る事が出来ないのなら、柚葉はまた一人で傷を負う事になるかもしれないから…。


それだけは、何があっても絶対に嫌だったんだ…。


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