13回目の好き




高木先生:「投げることをやめたら、本当にそこで終わりなんだ。きっと何年後かの自分が、今の自分を見たとき、きっと思う。"最後まで諦めてなかったら、どうなってただろう"……それは…、最後まで諦めなかったものにしか見えない未来。」


難しいな。先生の話。でも凄く心の奥に響く。


「…。」


高木先生:「まぁ、自分がそれで納得できるなら諦めたらいいけどな。」


「でも、真っ直ぐに投げても打ち返されるよ?」


高木先生:「…真っ直ぐに投げなくてもいいんじゃないか?」


「…?」


高木先生:「ほら、投げ方を変えれば、バッターの今までと違う一面が見れたりするだろ?思わずストライクっとか!(笑)」


「でもどう変えたらいいの?」


高木先生:「うーん…難しいな。…そうだ!三浦先生は夏が嫌いなんだろう?…何で嫌いなのか…。もし嫌な思い出しかないのなら、杉野が良い思い出に変えてあげればいい。まさに…変化球?」


フフッと思わず笑ってしまう。

「…何で野球になっちゃうの(笑)」


高木先生:「んぁ?…まぁ…例えだよ、例え。ほら、外で野球部が練習してんの見てたらな。」


「先生って難しい言葉の固まり。」

< 118 / 266 >

この作品をシェア

pagetop