13回目の好き










恭先生:「…ん?どうした?」



私の表情を心配そうに伺う恭先生。



「あ、あの…、もし…ですよ?もし……、子供が出来たら…、どう…します?」


ギュッと目をつぶって2つめの話を切り出した。



恭先生:「ええっ!?出来たのか!??避妊はしてたはずなんだが?」


カァアっと何だか恥ずかしくなって慌てて答える。



「ち!ちちち違いますっ!もしもの話です!」


ま、毎回…避妊はしっかりしてくれてるけど…。


その意味が…、もし…子供を作りたくない、の現れだったら、凄く悲しい。



恭先生:「良かった…。…驚いた。…子供が出来たら」


そう言いかけた恭先生の言葉を 遮って話し出す。



「す!すいません…。変なこと聞いて…。」



だって、恭先生の話の続きが怖い。



良かったって…



それはどういう意味?


子供が出来なくて…



良かった?



「あの戻りましょうか…」


そう言って立ち上がって逃げようとする私の手を恭先生の大きな手が掴む。


恭先生:「奈緒!子供、ほしいのか?」


ドキッと音を立てる。何だか無性に恥ずかしくなってきた。



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