13回目の好き
好きな人
「…好きです。」
高2の冬
私は募る想いを
先生に打ち明けました。
放課後の化学準備室。
机の椅子に腰掛けた三浦一樹(ミウラ カズキ)先生がクルリと椅子を回す。
化学の授業の後だったらしく
白衣姿のまま
三浦先生は、私を遠い目で見る。
ガタン、と席を立つと
ドアの前にいる私の前へ立つ。
三浦先生:「杉野、そういうのはよしてくれ。…今日はもう帰りなさい。」
三浦先生はカチャッと部屋のドアを開けて、帰るように促す。
「…。」
ペコッと頭を下げて廊下に出る。
パタンと虚しく扉は閉じられ、ズキンと心臓が音を立てた。