13回目の好き

喧嘩




吉崎 奈緒Side



はぁ。


恭先生のマンションのキッチンで一人ため息をつく私。



恭先生のマンションへは、合鍵を持ってるからいつでも入れるようになってる。



トントントンッとジャガイモを切りながら、


お母さんの得意料理のひとつ、肉じゃがを作っていた。



寂しさを埋めるように…



ガチャ、



恭先生:「奈緒、来てたのか!どうした?今日大学は?」



にっと笑ってリビングに入ってきてそう聞く恭先生。



「休講だったんで、恭先生に夜ご飯でも作ろっかなって思って。」


そう言って恭先生の笑顔を真似して、にっと笑う。


恭先生:「そうか。…肉じゃがか!久々だ!すぐ着替えてくるよ。」



そう嬉しそうに微笑みながら部屋へ行く恭先生。



思わず微笑む自分。




だけど、不安がまた押し寄せてくる。





ピンポーン!



そう思った時、チャイムのベルが鳴る。



またあの子達?

ガチャ

恭先生:「またあいつらか!?」



私が思ったことと同じことを言う恭先生が部屋から出て来た。


上はカッターシャツ、下はスウェット。


着替え、途中過ぎ。
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