13回目の好き




カタン、と立ち上がる三浦先生に驚いて、思わずガタッと私も立ち上がり慌てて口を開く。


「え、えっと!冗談です!冗談!…ちょっと言ってみただけなんですよね!」


そう笑ってごまかしながら、近付く三浦先生から一歩、一歩と後ろへ下がる。



三浦先生:「…冗談ですか。では、何をしてほしいですか?」


そう意地悪くニッと笑った珍しい三浦先生が目の前に映る。


ドクンドクンッと激しく心臓が動き出す。



カァアっと、赤くなってしまう頬を隠そうと三浦先生に背を向けた。




「や、やっぱり、…ぎゅってしてくれたら、も、もう十分です。…わっ!!!」




そう言った瞬間、グイッと腕を引かれ、三浦先生に引き寄せられる。



ドキドキと音が聞こえそうなほど胸が鳴る。




うそ。






ホントに私、今抱きしめられてるの!?




ギュウッと抱きしめる三浦先生の腕に、心が壊れてしまいそうな気持ちになる。








こんな御褒美くれるなんて、…ずるいよ…先生。





私が頼んでおいて思うのも自分勝手だけど…。





私の気持ち知ってて、そんな優しさ…ずるいよ。


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