13回目の好き



高木先生:「どうです?杉野、もう泣かせてませんか?(笑)」



学校から少し離れた所にある居酒屋に入り呑んでいると、高木先生はいつもの笑顔でそんなことを聞いてくる。

ゴクッと酒を流しその質問に慌てて答える。


「な、泣かせた…つもりはないんですが…。」


ニカッと不敵な笑みを見せる高木先生を少し恐ろしいと思ってしまう。


この間の今野といい、

何だか最近の俺…心の中を見透かされているようだ…。



「そういえばこの間、準備室に今野が来ましたよ…。」


高木先生:「ん!?あいつがいったい何しに?」


「まぁ…色々と言われましてね、本当に恐ろしい人でした。」


高木先生:「ははは!今野には口が回らないからな。」


高木先生はそう言って、また笑って酒を口に運ぶ。


まさか…吉崎への気持ちを気付かれていたとは………。


…高木先生も気付いていたのだろうか?


ふと、この間の今野の言葉を思い出す。


『今、三浦先生を真っ直ぐ好きだって言ってくれてる人に気付いてほしい』……。


それはいったい誰のことなのか…。


ふと杉野の姿が過る。



今野と関わりがあったか?


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