弁論競技場
そーゆーことよ。
 「さぁさぁみなさん!

 
どちらが勝つか、賭けて!賭けて♪


赤コーナー、名門〇〇大学教授T.F殿!


そして迎え撃つは青コーナー


史上最年少の弁論家少女!


なんと☆☆高校二年生Y.I殿!


会場の皆様!本日のお題は、車内における痴漢行為についてです。


ささ、お手元のボタンを押してください。


どちらに賭けるか。いくらかけるかはみなさまのご勝手。


一度決めたら変更はできませんよ。


皆様よくお考えください」




ピエロのような容姿をした司会者の男が笑顔を一ミリも崩さずにけたたましく紹介と説明をした。




「はぁ…。帰りたい」



あたしはただそう思っていた。


金額は300円というあまりにも小規模なものに設定。


負けたら倍の金額を支払わなければいけない。


問題はどちらに賭けるか。普通に考えたら赤。


でも、なぜか青の少女…。あの子の目があまりにも堂々としていた。

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