イジワル王太子と政略結婚!?
触れる感覚はなくても、優しいぬくもりが伝わってくる。


『リリィ…あなたに会えてよかった』

「私も……」



切なく微笑むお母様を見てると、私は自然と涙がこぼれ落ちていた。


温かく包む光はだんだん弱くなっていく。



「お母様…?」

『残念だけど…時間だわ』


そんな……


せっかく会えたのに、もうサヨナラしなきゃいけないの?


「…いや…」

『大丈夫よ。今一番会いたい人のことを想ってみて?』

「待って…!」


光はどんどん消えていく。


「お母様…っ!!」


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