イジワル王太子と政略結婚!?
そんな危険な花だなんて思わなかったな…。


『ねぇリリィ、ちょっと手出して』

「手?…はい」

『よいしょ…っと』


言われるがまま手を差し出すと、ウィンクルが何かを私の指に付けている。



「…わぁ、すごい!」

『ふふっ。暇だったから作っちゃった』


それは花で作られた可愛らしい指輪だった。


『あんなに恐ろしい花ばっかりじゃないのよ』

「…ありがとう、ウィンクル」



最初は変わってるって思ったけど、本当は優しい妖精なのよね。


彼女の心遣いがとても嬉しかった。


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