悪魔

買い物を終わり、2人はハザカット区へ向かおうとしていた。

「ねぇ、ハザカット区まで何で行くの?」

その時、少女はあどけない口調で彼に尋ねた。少女の顔には、沢山彼に奢って貰って、申し訳ないという気持ちがにじみ出ていた。

「歩いていく。」

彼は静かな声で呟いた。

「え…?歩いて行ったら二時間はかかるよ…?」

「あぁ…」

「…何で…??
……私、タクシー代位は払うよ…?」

少女は戸惑うようにそう言った。
お金が足りなくなってしまったのではないか、少女はそう思ったのだ。
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